ELEGA DR-592CII (DR-592C2) レビュー
- 概要
今年の夏、スタジオ放出品をヤフオクにて購入。左ハウジングのコードの付け根の被覆が痛んでいるジャンク品だったがシリコン系の接着剤で補修。
パッドの痛みも無く、アームの摩擦部分にニッケルメッキハゲが多少あるものの、業務用だけに堅固な設計。
- 外観
ヘッドバンドは板バネ二本で頭頂部を抑える形で緩いわりにしっかりとホールドされるものの、1時間程調子に乗って付けてると頭痛もする。
アームは総金属製でメッキ剥げを見るに真鍮にニッケルメッキというなかなか本格的な感じ。イヤパッドは浅いイヤパッドで耳のせ型。素材は合皮っぽいのではなくシワシワのやわらかいタイプだが業務用だけに耐久性は非常に高い。ハウジング耳側のゴムパッドに接着剤でポン付けされている。
ケーブルは2m程で、こたつケーブルのような布被覆でかなり太い。6.3mmのステレオプラグだがバラせるようになっており大量生産品ではない事をうかがわせる。
- 装着感
緩い側圧のおかげで圧迫感は少ないように感じるが、長時間使うと頭痛が非常に痛くなる。そのためCPH7000のイヤパッドに交換しているが、やはり設計者の意図通りで使用するならハンペンのような元のパッドのが良いと思う。
- 音質
超かまぼこ型でCPH7000やKOSS PRO4/AAのようなモニターヘッドホンの音。低音バッサリで目の覚める高音も無く程々なバランスだが、そもそも音楽観賞用に対応しているとはいえベースがモニター用なので定位も立体的なものは余り無い。
が、やたら音が分離し、CPH7000が聞こえない音まで聞こえたり、狭い定位でも耳を凝らせば何処で何が鳴っているのか演奏しているのかがはっきり聞こえてきたり、甘いと言っていた定位に関しても「カッチリカッチリ」してタイトで正確。
しかしながら「程々」さ加減がかなりいい感じで、大体どんな曲でも正確に鳴らしてくれる感じで響きは最小限に淡々と慣らす感じがまた新鮮。
大編成クラシック、プログレ、電子音楽、ポップス、ロックと、どんな曲でも「モニターライク」に鳴らしてしまうヘッドホン。聴き疲れも無く余計な響きも無いのでDTMからボイスチャットまで色々と汎用性は高いと思う。
長所:
- 高い解像性能
- 独特の定位感
- とにかく音を拾える
短所:
- 値段の音に期待するとガッカリ
- 頭頂部に負担が集中する
- 長時間の装着に向かない
- 低インビゆえに機器によってはアッテネータ必須
あとベース機であるDR-631はほぼ同じ外観ながら、内部にはアルミ削りだしハウジングがあったり、感度調整用のダイヤルがあったりと「値段の割りにガッカリ」→「値段の割りにスゲエ造り」という噂もあったのですが、コイツは後継機でコスト削減なのか内部は通常の外装通りのプラ製で、感度調節機能の痕跡も見当たりませんでした。
正直ノイズはやたら拾うし嗜好性の非常に高い音なので本当に好き物でやってる人じゃないと鳴らしきれないんじゃないかしら。
DTMのモニターヘッドホンの一つとしてはベストでしょうが肝心の自分のスペックが駄目ですねそうですね